『舟を編む』三浦しをん

舟を編む』を読んだ。
本屋大賞受賞したり映画化されたりしていた作品を遅ればせながら。

 辞書作りに命を懸ける人々の物語。

主人公の馬締光也が見てる世界が独特。
真面目なんだけど「いやいや普通そうは捉えないでしょ」と思ったり心配になるくらいのマイペース。というか不思議さん。
そんな彼が多くの思いを背負っていろんな人と協力し、助けられながら『大渡海』を編んでいくのだけれど、登場人物がすてきな人たちで読み終わった後、優しい気持ちになれる。

特に西岡正志の話が好きだった。
最初は「うわなんだこいつめんどくさい男だな」とか思っていたことを謝りたいくらい。
特にこれといった譲れないものや夢中になれるものがなくて、正反対の馬締と自分を比べて嫉妬や羨ましさを感じる。
その感覚がわかるから、それでも馬締を辞書編集部を支えようと動くのは泣けた。かっこよすぎるでしょと、めんどくさいやつとか思ってて申し訳なかった。
シンプルにいいやつじゃん。
馬締の西岡という人物についての描写が、2人が出会えてよかったなと思えた。

たまたま単行本が家にあったから読んだけど、装幀に感動したからぜひ単行本で読んでほしいなぁ。

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